陽子線治療に向いているがん
- すべてのがんが陽子線(粒子線)で治療できるわけではありません。先行する治療施設での経験により、からだの中でがんができた臓器により、陽子線には得意・不得意があることがわかっています。
- 現在、陽子線治療に向いていると考えられるがんは、頭頚部(鼻腔や副鼻腔、唾液腺・頭蓋底など)、肺、肝臓、前立腺、膀胱などの原発性がんに加え、直腸がん術後の骨盤内再発や単発性の転移性腫瘍(肝転移、肺転移)などがあります。
-
※実際に治療を受けるためには部位の他に、がんの大きさや進行期、全身の状態などが制限されます。
詳しくは、「表:南東北がん陽子線治療センターで治療できるがん」をご覧下さい。
表:南東北がん陽子線治療センターで治療できる"がん"
| がんの部位 | 病名 | 病期(UICC) | 総線量 | 回数/ 期間 |
|---|---|---|---|---|
| 前立腺 | 前立腺がん | cT1-4N0M0 | 74〜78GyE | 37-39回/ 7.4-8週 |
| 鼻・顔面・のど等 耳鼻科領域 |
頭頚部がん | cT1-4N0M0 | 60〜70GyE | 30〜35回/ 6〜7週 |
| 再発例 | 30〜40GyE | 18〜20回/ 4〜5週 |
||
| 骨盤部 | 直腸がん 骨盤内局所再発 |
骨盤内限局腫瘍 | 60〜70GyE | 30〜35回/ 6〜7週 |
| 脳 | 脳の悪性腫瘍 | 60〜70GyE | 30〜35回/ 6〜7週 |
|
| 肺・肝・骨・軟部 リンパ節 |
転移性腫瘍 (単発腫瘍) |
限局腫瘍 | 60〜70GyE | 30〜35回/ 6〜7週 |
| 肺 | 非小細胞肺がん | cT1-4N0M0 | 60GyE 80GyE |
10回/2週 20回/4週 |
| 肝臓 | 肝がん | 手術不適例 | 60GyE 76GyE |
10回/2週 20回/4週 |
| 食道 | 食道がん | cT1-3N0M0 | 60〜70GyE | 30〜35回 6〜7週 |
■症例写真
- (1)左上顎癌放射線治療後・再発例
- (2)前立腺癌
- (3)舌癌 4期 動注・X線・陽子線治療
- (4)食道癌に対する放射線治療 従来法との比較
- >> その他の症例紹介
- 国内の他の陽子線(粒子線)治療施設ではこれらの臓器の他に、子宮や腎臓などの部位のがんに対しても試験的な陽子線(粒子線)治療が行われており、有効性が評価されつつあります。
南東北がん陽子線治療センター独自の取り組み
- 舌がん、上顎洞がんに対する動注化学放射線療法
- 耳の前の血管からカテーテルという細い管を病巣付近に挿入し、病巣部に高濃度の抗がん剤を流す抗がん剤治療と放射線治療、陽子線治療を組み合わせた治療法です。
- 入院が必要になります。全身の抗がん剤に比べ局所への高い効果が得られます。
- また、中和剤を使うことで抗がん剤の副作用を少なくすることができます。
- カテーテルは局所麻酔の小手術で挿入します。主に、舌がん、上顎洞がんでこの方法を用います。特に進行舌がんはよい適応で、舌の温存を目指します。小線源治療が出来ない方や手術しか方法がないといわれた方も一度ご相談下さい。 上顎洞がんでは顔面の変形を伴わずに済みます。ただし、頸部リンパ節転移に対しては手術が必要になります。
- ■症例写真
- 舌癌 4期 動注・X線・陽子線治療
陽子線治療で治療できない"がん"
- 陽子線(粒子線)治療ができない代表的ながんに、胃や大腸など消化管のがんがあります。胃腸の粘膜は放射線により潰瘍ができやすく、一般に放射線治療の対象となりません。
- 胃や腸と接している、あるいは近接している場合も粘膜潰瘍のリスクがあり、陽子線治療が困難なことがあります。
がんの大きさの制限
- 陽子線の治療効果は照射した範囲内に限られます。肝がんでは12cmを超える場合には技術的に治療が難しくなります。
- がんがこの大きさ以下で、しかも陽子線治療を行う範囲以外にがんの広がりが無い場合に、十分な治療効果が期待できます。
進行期の制限
- がんのもとの病巣(原発巣)から、他の臓器(肺、肝臓、骨、脳など)に複数転移している場合は、陽子線では完治させることが困難です。 また、複数のリンパ節へ転移が広がっている場合も十分な治療効果は期待できません。(ただし、頭頚部がんの場合に手術で転移しているリンパ節をすべて取り退いた場合には原発巣への陽子線治療が可能です。)











市民公開講座のお知らせ