南東北がん陽子線治療センター

English中文

独自のがん治療への取組み
スペーサー

  1. HOME
  2. 陽子線治療について
  3. 独自のがん治療への取組み
  4. スペーサー

総合病院であることの強み

南東北がん陽子線治療センターは、総合南東北病院の同じ敷地内に隣接されています。総合病院と一緒にあることで、患者さんにとっても負担が少なくなることが考えられます。総合病院専門の外科医が陽子線治療を施す前に、より確実で安全に照射するための外科的な処置を施すことができます。そのひとつがスペーサー手術になります。
体にメスを入れることはないのですが、陽子線による体への負担を少しでも減らし、安全に治療を行うための方法としてスペーサー手術を行う場合があります。

「スペーサー手術」で腹部領域のがんも治療可能に

肝臓の一部や膵臓などの腹部、または骨盤領域のがんは、陽子線で最も治療しにくい部位といわれています。そのまま陽子線を照射し、隣り合っている胃や十二指腸などにも高線量の陽子線が当たってしまった場合、後から腸管などに穴があいてしまう恐れがあるためです。
これらのがんに対し、当センターでは外科と連携して「スペーサー手術」をした後に陽子線治療を行っています。手術でがんと消化管との間に患者さん自身の脂肪(大網)や、術後半年ほどで体に吸収される不織布型の生体吸収性スペーサーを入れてスペースをつくり、消化器官に高線量の陽子線が当たらないようにする、というものです。
この方法により、手術で取れないがん、放射線を十分に当てられなかったがんも治療が可能になっています。

前立腺がんに対するスペーサー留置後の短期陽子線治療

前立腺がんに対する陽子線治療は、手術等とくらべ尿漏れや性機能障害などの、副作用のリスクが少ないことが特長です。しかし治療の際に前立腺と隣接する直腸に陽子線が当たり、直腸からの出血などが生じる可能性もゼロではありません。これを回避するため、1回ごとの線量を低くして合計37~39回の陽子線照射を行うことが一般的です。当センターでは、前立腺と直腸の間にスペースをつくる「スペーサー留置術」を行うことで直腸に当たる陽子線の量を減らし、1回ごとの線量を上げる短期陽子線治療に取り組んでいます。
スペーサー留置術は日帰りで行います。約3カ月間スペースを維持した後、半年ほどかけて体内に吸収される「ハイドロゲル」素材を前立腺と直腸の間に注入し、さらに金マーカーを留置します。この処置によって直腸出血などの副作用のリスクを抑えつつ、21〜22回での陽子線治療が可能です。

その他の疾患

●膵がん  ●腎がん  ●骨軟部  ●直腸がん術後再発  
●骨盤内腫瘍  ●膀胱がん  ●婦人科がん術後再発 など